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【株式会社 類設計室】「設計事務所らしくない設計事務所」企業インタビュー!Vol.1

皆さんこんにちは!

今回は新シリーズ!「注目企業を直撃インタビュー!」の記念すべき第1回、株式会社類設計室のインタビューをお届けします!

教育施設研究施設分野で全国1位、プロポーザルでの勝率では全国2位を誇る類設計室さんで、その実績を支える会社の皆さんから、

多岐にわたる設計外の事業や、「活力」を生み出す仕組み等、様々なことをお聞きしました。

「設計事務所らしくない設計事務所」

ポジティブな意味合いでそう称される類設計室さん。

前半は会社についてお三方に、後半は社員の方に2人それぞれ個人として、インタビューしており、

ボリューム感のある記事になっていますので、前後半で分けて読んだり、寝る前にゆっくり読んだり、らく~に読んでみてくださいね^^

 

また類設計室の求人情報は、BEAVER CAREERにも公開されています!

この記事を読んで、

「この会社についてもっと深く知りたい!」

と思った方は、記事中と最後にあるボタンから、求人情報も覗いてみてくださいね。

 

それではいきましょう!

 

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会社について本音で色々聞いてみた

左から、望月宏洋さん(営業主任)、池谷菜奈子さん(意匠設計)、松井敬二郎さん(計画設計サブキャップ)

会社の特徴と「設計以外」の事業について

ーズバリ!御社の特徴とはどんなところですか?

(望月)「活力ある社会をつくる」事業を、という視点で設計事業を含む6つの事業を展開しています。そして、「活力ある社会」をつくるためにも、我々自身が活力を持って日々仕事に取り組んでいます。

それと、「類さんは”設計事務所らしくない”よね」とよく言われます。それは、多様な事業展開や、設計の領域を超えて施主の組織づくりまで一緒に考える姿勢、会社の中で大人と一緒に子どもが活動している様子からも伝わるかなと思います。

ー設計事務所としてはとてもめずらしい事業を多く行っていらっしゃいますが、どんな経緯があってそういった事業が始まったのでしょうか?

(望月)弊社は1972年創業で、来年で50周年を迎えます建築設計事業部から始まって、2年後には「類塾」という教育事業を立ち上げました。これから先の未来を担っていく子どもたちを自ら育成していこうという思いで立ち上げた事業で、現在は「類子屋」も設立し、子どもたちが活き活き遊び・追求できる学びの場を提供しています。

受付にも働くお子さんの姿が

農業事業では、お茶やお米、野菜(大和野菜)などを無農薬・低農薬で育てています。さらに直売所事業を通して、生産者と消費者をつなぐ新たなネットワークをつくり、生産者・地域の活力を生み出しています。

大阪本社1階の類農園直売所

他には「類不動産」や、情報発信をしていく「事実報道社」、

チラシのポスティング事業やフリースペースの運営などを行っている「類広宣社」があります

フリースペースでは、地域の企業さんであったり、お店であったり、もしくは交流の場を作りたいという一般の人々に広く開放しており、そんな人と人とをつなぐような事業をしています。

地域活動の拠点になっているフリースペースも、本社の中に

ー本当に幅広い事業を通して「活力」を社会に生み出しながら、設計にも還元しているんですね!

ほかにも何か面白い取り組みってあったりしますか…?

(望月)「実現塾」という子どもから大人までが一堂に会して、「まだ教科書に載っていないもの」「答えが出ていない問題」に対して、みんなで追求して答えを出そう、という場を運営しています。

追求テーマは様々で、例えば最近だと、「活力とはそもそもどうやって上がるのだろう」というテーマから、脳の機能に着目して「左脳と右脳の機能の違いや役割について」や、市場がそもそもどうやって始まって今どういう勢力が市場を動かしているのか、といったテーマで追求をしています

実現塾はオンラインでも開催しており、ここでのグループの運営を私をはじめとした設計部の人間も担っています。新入社員も参加するので、自ずと社員全員に「場をファシリテートする力」が育まれる環境づくりにもなっていますね。

老若男女問わす議論を交わす「実現塾」

ー小学生がそんなテーマについて議論するのはすごいですね!自分は小学校の同じ頃一日中木に登っていたと思います…笑

(望月)それも非常に大事だと思いますよ!(笑) やはり活力を生み出すためには「外遊び」は欠かせない存在になっていると思うので、類塾の中でも遊びを重要視してカリキュラムの中に取り込んでいます。

 

設計事務所としての強みと「共創スタジオ」

ー多事業を展開している点以外で、「設計事務所」としての強みは他にどんなところがありますか?

(望月)強みで行くと、教育施設や研究施設の用途は大変強みにしています。昨年発表された日経アーキテクチャさんのランキングにおいて、「教育施設研究施設部門」は1位(プロポーザルの勝率は全国2位)を獲得しています。

その要因は何だろうと考えると、やはり類塾をはじめとした事業において、実際に自らが当事者として学びの場づくりを担っているという取り組みから、生々しい教育の課題を建築にも翻訳しながら提案に反映する、というところが評価されているのではないかと思います

 

もう一つは、ただ建築の設計を作るだけではなく、その建物を作っていく過程、もしくは使っていただく過程で、お客様の組織そのものの活力をどうやってあげていけるか、というところを意識して活動しています。なのでお客様からは「設計事務所なのにここまでしてくれるのか」というお声をいただく事が非常に多いですね。

 

ー設計のその先も見据えて作っているんですね。設計過程ではワークショップ等は行っているんですか?

(望月)我々は「共創スタジオ」という名前で運営しています。

事業のプロセスを通してお客様の組織の活力をどうやって上げていくかを考えた時に、お客様の中で「当事者」を増やしていかねばならない、という思いから「共に創る」スタジオとしました。

設計事業も、使う人であったり建てようとする人が一緒に考えていかないと、建った後に良いものになって行かないと思っています。

(池谷)私も2年目の時に初めて、地域の人たちを巻き込んだ共創スタジオに参加させていただきました。ある公立小学校の改築事業でしたが、これほど地域の人たちと一体になって、今から使って行く建物を考えられる場というのは他にないな、と思っています。最初は、大きな建物が建つわけなので景観とかそういったところに目が行きがちなんですが、よくよく話を聞いていくとやっぱり皆さん心の一番深いところでは、子どもたちには生き生き使って欲しいし、その子ども達の活力で地域を明るくしてほしいという思いが絶対にあるんです。そこを掻き立てる、顕在化させるお手伝いをしていくのが本当に楽しいです!

 

会社組織としての特徴~キーワードは「自主管理体制」と「ローテーション」~

ー全員経営者ということで自主管理体制を敷いていると思いますが、実際どのように組織が運営されているのですか?

(松井)活力ある社会を実現するためには、 私たち自身が活力を持たないといけません。そのために必要なのが、先ほどご説明した実現塾のように、単純に設計だけでなくてその背景の社会や事実構造を追求するというところが大事になってきます。私達は、組織の形として「共同体経営」という形をとっています。通常の企業ですと、いわゆる株主や経営者出した方針を、みんなで実践していくという場になるかと思うのですが、そうすると中には「単純に振られた作業を行う社員」が出てきてしまいます。それでは社員の活力を高めることができません。我々は共同体として全員が経営の当事者となって追求することで、追求力と活力を上昇させた集団を実現しています。

設計部門の中では、企画・意匠・構造・設備・計画・監理・営繕と部門を分けており、その中で建築を総体として追求できる人材にならねばならないという思いから、若手社員の「ローテーション制度」を設けています。これは若手のうちから様々な部署を定期的に回っていくことによって、各課題の中でその部署がどういった役割があるのか、それぞれの部署でどういった力が求められているのか、等を培います。そうしてキャリアが進んでいき、中堅ベテランになっていくうちに、一人の人間としてチームを統合できるような人材になっていきます。

私たちも実際にそのローテーション制度で様々な部署を回っています。例えば私ですと、元々意匠設計にいたんですけれども、そこから構造・企画を経て、現在はプロポーザルや物件の初期段階を主に担当する「計画設計」に所属しています。

計画設計の部署では、他の部署で学んだ経験を生かして日々仕事に取り組んでいます。

(池谷)私は1年目に設備で2年目 には計画設計、 今三年目から四年目にかけて意匠設計に所属しています

 

ーそんな制度があるんですね!それは例えば、ローテーションの最初の配属に関してはどうなのでしょうか?

(望月)もちろん選考する段階で希望は伺います。弊社の選考は他の会社に比べてじっくり面接をするというところが特徴になっていますので、その面接の中で、学生さんが大阪や東京のどの部門であれば力が発揮できるのか、成長できるのかを考えた上で決定します。

キャリアプランとしては、若手のうちは早いピッチでローテーションを行っていき、役割が上がってくると徐々に ローテーションの頻度が下がっていくというイメージです。

 

ーなるほど!そういえば部署にある「企画室」に関しては、他の設計事務所にはない部署かと思うのですが、この部署ではどのような仕事をしているのですか?

(池谷)先ほどの共創スタジオに近いと思うのですが、我々が 単純にいち設計事務所としての関わり方ではなく、事業者目線での話し合いを進める上で、企画室では、「どんな建物を作るのか」の前段階として、「どんな経営課題があるのか」など、そういったところからお客様の潜在的な期待を拾い上げる作業を行っています。

ー新しい事業が始まる瞬間とはどういう場面ですか

(松井)弊社では全社員や部門毎に 「経営会議」を開いていますが、そこでは現在の社会状況や、今後の社会はどうなっていくかを追求しながら、

今の事業で人々の期待に応えられているのか

会社としてどういった打ち出しをしていくか

こんな事業が可能性としてあるのではないか

などを話し合っています。弊社ではこうした会議と、社員がアクセスできるWEB上の掲示板を通じて、みんなで経営判断をしていきます。

全社員が経営者として参加する「劇場会議」

本音で聞いた、会社としての「課題」と「今後」

ーありがとうございます!最後に、「本音で」会社の今後の課題と、その改善についてお聞きしたいです。

(望月)まずプロポーザルに関しては、現状たくさんの面白いプロジェクトが増えてきた分、競合となる会社が国内最大手の設計事務所になってきています。そういった事務所さんと競って行くためにも、より「提案力」が大切になってきます。特に、環境提案を始めとしたエンジニアリング面での力を会社として高めていきたいと思っており、そういった方面で今後力を発揮できる人材に是非入社してほしいなぁという想いがありますし、会社としては、これまでお話してきた社内でのローテーション制度や、多岐にわたる事業を通してそういった力をより一層高めていきたいと考えています。

次にトラブルへの対処について。仕事をしているとトラブル発生することがありますが、社員間での仕事に対する温度差がトラブルに繋がってしまう事もあります。なので社員間で温度差、活力の差が発生している原因は何なのかを常に考える必要があると思っています。
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