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改正建築士法の施行で資格・実務はどう変わるの? 卒業後に気になるポイントをまとめました!

2020年3月1日、改正建築士法が施行されました。

大学卒業後すぐ受験できるようになり、実務経験の対象も大幅に拡大されています。

これから資格や試験はどう変わるのか、卒業後に必要になるポイントを中心に新ルールをおさらいしましょう。

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大卒後すぐ一級建築士試験を受験できるように

一級建築士資格取得までの簡単なフローチャートはこのようになります。

ひとつひとつ具体的に見ていきましょう。

 

図1 一級建築士資格取得フロー

1.受験資格は?

建築士制度の見直しにより、2020年度からは大学卒業後すぐに一級建築士試験を受験できるようになりました。

今までは一定期間の実務要件をこなしてからでないと受験ができませんでした。

実務をこなしながらの受験勉強に苦労した先輩方も少なくなかったことでしょう…

今回の変更で、

「時間のある学生の内に試験勉強をしておいて、卒業後すぐに受験」

できるようになりました。

この変更は大きいですね!

 

改正後の具体的な受験資格要件は、

・大学、短期大学、高等専門学校などで国土交通大臣の指定する建築に関する科目(指定科目)を修めて卒業した者

・二級建築士

・その他国土交通大臣が特に認める者(外国大学を卒業した者等)

のいずれかを満たしていることとなります。

 

 

2.建築士試験の変更点は?

学科試験合格の有効期間が5年になり、この期間内に製図試験を3回まで受験できます。

また、受験を申し込んだものの仕事の都合や、急病などで製図試験を欠席しても受験回数にカウントしない制度になりました。

嬉しいことに受験手数料も1万9700円から1万7000円に安くなりました。やったね!

図2 学科試験と製図試験の関係

一方で、2019年以前に学科試験に合格した人の学科試験の有効期間は、従来のように3年のままなので注意が必要です。

 

3.一定期間の実務はやっぱり必要!

受験資格要件だった実務要件は、この改正によって免許登録要件になりました。

実務要件には今まで含まれなかった調査や評価などの業務も認められるようになりました。

これまで、一級建築士資格には縁が無いと思っていた人もこれを機に取得できるようになるかもしれません。

必要な年数は大卒で2年、短大卒で3年などです。大学院でインターンシップと関連科目を受講した場合、実務経験2年と認められます。

図3 受験資格要件と免許登録要件

4.免許登録で完了!

試験の合格と適切な期間の実務経験をもって、免許の登録を申請することができます。

免許が登録されたら、晴れて一級建築士となります。

建築に関する学歴を得ることができる各教育機関を卒業後、一級建築士資格を最速で取得するルートは以下のようになります。

図4-1 一級建築士資格最短取得フロー(大学院卒)

図4-2 一級建築士資格最短取得フロー(学部卒)

図4-3 一級建築士資格最短取得フロー(短大(3年)卒)

図4-4 一級建築士資格最短取得フロー(短大(2年)・高専卒)

 

おわりに

今まで見てきた改正の背景には、受験者数の減少とそれによる若手建築士の減少があります。ここ10年で一級建築士試験の受験者数が約4割も減少し、14万人いる一級建築士のうち60代以上が約4割を占めるいびつな年齢構成となっています。

この改正により、今まで一級建築士に縁が無かった方が受験できたり、若いうちから受験できたりとキャリアにより幅をもたせることができるようになりました。

今後の改正にも注目しつつ、キャリアプランを考えてみるのもよいかもしれません。

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