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Rhinocerosのまずはここから!曲線を引いて押し出すコマンドPolyline&ExtrudeCrv

Rhinocerosをイチから勉強していくにあたって初めにくじけそうになるポイントはなんといってもコマンドの多さ。その総量はなんと800を超えるそうです。

「コマンド=できること」に際限がないために突き詰めれば圧倒的な操作性を誇りますが、一方で初学者としては「どこから学べばいいの?」と参ってしまいます。

Rhinocerosコマンドの学習手順としては、

こちらの記事で紹介させていただいたような基本的なコマンド(完全に筆者の独断と偏見で、20~30コマンド程度)を知識の幹として、

SweepやLoft、NetworkSrfといった曲線系のコマンドなどをその枝として体系的に記憶していくとよいと思います。

これらのコマンドの使い方はこちらから!

 

建築をモデリングしていくうえで800コマンドすべて覚える必要がある場合は珍しく、かくいう筆者も使えるコマンドは100もないと思います。学生レベルであればその程度で何とかなっています。

そんなわけで今回は、幹となる基本的なコマンドのなかでも私が最も大事だと考えるPolylineとExtrudeCrvのご紹介です。この二つのコマンドさえ適切に扱えれば、建築の大部分がモデリングできるようになると思います。

 

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Polylineで線を描く

Rhinocerosで立体物を表現するにはまずそのガイドとなる線が必要です。「線→面」の手順で次元をあげていくイメージでモデリングをしていくのがRhinocerosのモデリング手順の特徴といえます。では建築における「ガイド線」とはどのようなものでしょうか?

…そんなことは皆さんお分かりですよね?そう、図面です。

即興ですが、このような平面の構造物を考えてみました。この時点でこのドローイングは自分の頭の中にしかないものですが、説明の都合上先に完成した平面をお見せしています。

では、つぎにこの平面を大まかに空間へ描いていきます。先の記事でご紹介しているコマンド「Polyline」と「Trim」を使うことでこの線は描くことができるでしょう。「Trim」の扱い方は『Rhinoceros超基本の22コマンド!』でご紹介していますのでご確認ください!

このように描き出すことができました。

慣れないうちは壁厚を無視してガイド線を描いたりしても大丈夫ですし、Rhinocerosでの作図が時間がかかって嫌だという方は、ほかのCADソフトで線データを作成してRhinocerosへ書き出すという手もあると思います。

それでは、次にこの線を立体化させていきましょう。

 

ExtrudeCrvで線から面へ

選択した曲線に対して垂直に面を建てるコマンドがあります。ExtrudeCrvというものです。

まず、壁表面となる図面線を選択。

選択した状態でコマンド「ExtrudeCrv」と打ち込むと、コマンドが起動します。

壁の高さとなる数値を入力すればその高さだけ、モデリング画面を適当にクリックすればクリック位置に応じた高さだけ、壁表面のサーフェスを鉛直に「押し出す」ことが可能です。

 

ところで、ExtrudeCrvを起動した時点で画面上部にこの画像のようなバーが出現するかと思います。ここではExtrudeCrv自体の機能の設定を行うことができます。順にみていきましょう。

 

方向(D)

ここでは壁を押し出す方向を決定することができます。デフォルトでは線に対して垂直に押し出されるのですが、この「方向(D)」を設定することで斜めに伸びる壁を作成することが可能です。方向ベクトルの決定は、始点と終点となる二点をクリックすることで行えます。

両方向(B)=いいえ/はい

デフォルトの設定の「いいえ」では、面の押し出しは選択した線を一端として行います。しかしこの設定を「はい」にしておくとその線を中心として両方向へ面が押し出されます。画像上がデフォルト設定時、下が「はい」と設定したときの押し出しになります。

ソリッド(S)=いいえ/はい

「はい」としておくことで立ち上げた壁の上端、下端が閉じられたものとなってくれます。必ず「はい」と設定しておきましょう。

元のオブジェクトを削除(L)=いいえ/はい

「はい」にしておくと面の押し出しに伴って選択した線が消えてしまいます。「はい」にしておくと、後でサーフェスを編集するときに間違えて線を選択してしまったりといったイージーミスがなくなり、快適にモデリングが進められます。

境界まで(T)

画像のような、曲線に対してサーフェスが覆い重なる状態がある場合に、上のサーフェスを境界面として設定することで面の押し出し距離を「曲線からサーフェスまで」と決定できます。

基点を設定(A)

デフォルトの設定の場合押し出し距離は数値入力か任意点のクリックで決まり、そのベクトルの基点(始点)は選択した曲線上にあります。「基点を設定」の項では、押し出し距離を決める基点を選択曲線上にないほかの点に設定することができます。例えば上の画像のように、押し出し方向と平行に並べた曲線の2端点によって、押し出しの距離を依存させることができます。

 

今回のまとめ

たった二つですが、「線→面」というRhinocerosのモデリングで一番重要なポイントが詰まったコマンドです。この二つのコマンドさえ使い慣れれば建築の大部分はモデリングできるといっても過言ではありません。

RhinocerosはほかのCADソフトに比べてかなり感覚的で、特に図面がそのまま立体へ立ち上がってくるプロセスを可視化できるということは個人的にRhinocerosを使っていて最も感動的な点です。(ほかのソフトだとあっさりしています)。プロポーションにおいても機能面においても、どのソフトより詳細な検討が可能になるのではないでしょうか。

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