【建築学生になった君へ】建築模型の基礎知識
こんにちは~
そのへんにいる建築学生、あさぎ(@cryforthemoon_M)です。
今回は、「模型製作」カテゴリーの記念すべき第1回目の記事!ということで、
建築学生になったばかりの皆さんにむけて、
「建築模型に使う 基本的な道具と材料」についてまとめました。
BEAVERの記事では、私が「あ゛ーーーもっと早く知っておけばよかった……」って感じた知識を惜しみなく、書いていきます。
自分の設計、提案を人に伝えるにあたって模型は重要な武器になります。
最初はみんな初心者なので、いきなり綺麗に作れなくても大丈夫。
正しい道具の使い方とコツを掴んで、目指せ 建築模型マスター!!
慣れてくれば、自分だけの表現で可愛い模型が作れるようになります。
目次
[PR]
主な道具たち
30度カッター
模型作りはこいつがないと始まらない。黒刃の鋭角カッター
※ 黒刃= 文字通り黒い替え刃。普通の刃より切れ味が良い。
こまめに刃を折るのが超大事。切れ味が少しでも落ちたら躊躇いなく折ること。
黒刃は最初に大容量のものを買っちゃうのがおすすめ!
睡眠不足でも手を切らないように、絶対動線の上に左手は置いちゃだめだよ。
接着剤
建築学生界隈では、模型用接着剤に何を選ぶか、
スチのり、Gクリアー、ボンドの3派に分かれてしばしば争いが起きます。
賢い建築学生は接着する対象によって使い分けます。
スチのり → 大抵のものに使える。発泡系の素材が溶けないので◎
Gクリ → 割とすぐ固まり、スチのりほど糸を引かない。
ボンド → ボンドにも種類がある。特に木材系の模型に重宝。
鞄に無造作に入れると悲惨な事故が多発するので、袋に入れて持ち歩こう。
細かいところの接着には、一度多めに出した接着剤に爪楊枝とかを使うと◎
また、スプレーのりという便利な道具もあります。
紙など広範囲にわたって面接着を行う際には大活躍するけど、
囲われたブースで使わないとのりが空中飛散して
大変なことになる(辺り一面ベッタベタの大事故)ので、
必ずスプレーブースか、ビニール等で覆いを作ってその中でスプレーすること。
↑研究室のスプレーブース。カラースプレーは換気できる別の場所を用意しよう。
スプレーは基本的に数字が大きいほど接着力が大きいです。
仮止めするときは55、しっかりくっつける時は77を使おう
カミネコ(紙用スコヤ)
これがあるのとないのとで模型をつくるスピードが全然違う。
ちょっと高いけど、買うともう持っていなかった時代には戻れない。
効率が全然違うので、初期投資だと思って早めに手に入れよう。
マスキングテープ
製図で図面を留めるのにも活躍するけれど、模型作りにもいろんな使い方が出来る。
塗料のはみ出しを防いだり、部材の仮止めに使ったり……
一度貼っても剥がしやすいものを選ぼう。
アルコール、ソルベント、ペーパーセメント
アルコールはスチレンボンド、ソルベントは両面テープ用の溶剤として、
間違って接着してしまった箇所を剥がすことが出来るよ
ペーパーセメントは添景の仮止めに活躍します。接着部に点付けして使おう
[求人情報]
基本の模型材料
レモン画翠、世界堂、大学の生協などで買うのが一般的。
場合によっては、100均や文房具屋、手芸用品店も覗いてみよう。
スチレンボード(通称:スチボ)
たぶん最初に触れる基本の模型材料。スタディ模型にも使うので、よくお世話になる。
まっすぐ、垂直にカッターを入れて迷いなく引くのがコツ!
切りにくくなったり、スチボの断面が汚くなってきたらカッターの刃を折ること。
「紙残し」を行うと模型の角が綺麗に仕上がる。(「面取り」っていう地域もあるらしい)
また、「スチレンペーパー」はボードの両面に紙がついてないので、曲げたいときにも便利。
プラ板
窓など、ガラスの表現にはこれ。
けがく(=カッターで軽く切り線を入れる)とサッシの表現が出来る。
似てるけどアクリル板は切るのが超大変。使う時は、レーザーカッターを使うと良いでしょう。
ちなみにプラ板はお手軽な水面表現にも使える。下に色紙を入れるとそれっぽく見えます。
カスミソウ
基本の植栽、樹木の表現に使います。
スケールに合わせて使えそうなところをカットして、模型に刺します。
玉(蕾)をついたまま使うのもいいけど、
玉だけ全部取った状態を使うとシンプルな樹木な表現になるのでおすすめ。
スタイロフォーム
スタディ模型と言えばこれ!
実はいろんな色があって、密度が違うので使い分けましょう。
ヒートカッターを使うと簡単に綺麗に切れる。
周囲の既存建築の表現にも使えます。
仮眠するときのベッドにもなる(体重で凹むのでおすすめしない)。
木材系
軸組模型とかでお世話になる。樹種によって加工のしやすさが違う。
(ヒノキとかはかたいよね)
カッターで切り込みを入れて折る場合は、ヤスリで断面を綺麗にする。
バルサは軽くて安いので、添景(家具とか)や床に使いやすい。
ニスを塗ると表情が変わるので、テイストを色々試してみるのも面白いです。
模型作りに参考になる本の紹介
ラクラク建築模型マニュアル
この記事の上位互換。大学で探してみよう。
中川エリカ 建築スタディ集
詳細すぎる模型が評判。いろんな表現を学べるよ。
他にも卒業設計の雑誌とか見ると、いろんな模型表現が勉強出来ます。
実際に模型を見に行くのも大事!
(大学の先輩の過去作品を見たり、建築家の展示や建築倉庫などに足を運んでみたり……)
「どうやって作るのかな」「何で出来てるのかな」という目線で観察してみよう。
今後はよりステップアップした模型表現の技や、エスキス・コンペの進め方についても解説していく予定なので、そちらもチェックしてみてね!!
ではまた!