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【建築学生】魅せる建築模型をつくるテクニック

こんにちは~

そのへんにいる建築学生、あさぎ(@cryforthemoon_M)です。

 

前回の記事(建築模型の基礎知識)に引き続き、

今回は少しステップアップした、より実践的な建築模型の知識を解説していきます。

 

 

模型は、建築のプレゼンテーション手段のひとつです。

緻密につくればそれで良い!ってものでもないし、

ジオラマ的に作るのが必ずしも良いとは限りません。

故に建築模型に求められるのは、

いかに見る人に 伝えたいことを伝えられる模型に出来るかということです。

 

そのためには、様々な表現方法を知った上でシーンに合わせた手法を選択することが大切。

 

今回は、私が学んできた手法を道具ごとに紹介します。

設計課題やコンペ等の機会に、戦略的に活かしてみてください。

 

 

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模型材料を使いこなす

多様な塗り材を使いこなす

 

ジェッソスタッコ等の塗り材を使いこなせば、模型表現の幅が広がります。

 

最もシンプルな塗料であるジェッソは、使い方は無限大。

紙、木、石……大抵の材料に塗ることができます

 

・そのまま模型材料に塗って下地にする

・アクリル塗料等と混ぜて色を作り、材料を着彩する

・質感を与えて、テクスチャーを表現する 等々。

 

プラスチックの容器の場合、蓋についた塗料が固まると開かなくなるので注意。

ビニールのパック(詰替用)を買って、

紙コップなどの使い捨て容器に小出しする方法が私は好き!

混ぜるときは割り箸を使って、

作業を中断するときはコップにラップと輪ゴムをかけるのを忘れずに。

(乾燥して固まるのを防ぐためだよ~)

 

それと使った刷毛は、必ず固まる前に洗うこと!

筆も固まると使い物にならなくなります。

 

そしてよく使うのがセラミックスタッコ。

ザラザラしたテクスチャー感を表現するのにぴったり。

ジェッソに混ぜて塗れば、地面道路だけでなく、壁面等にも使える 使い勝手のいい子。

混ぜる量によってザラザラ感をコントロール出来るよ~ 一度お試しあれ。

 

 

さらにモデリングペースト

モデリングペーストは盛り材と呼ばれる画材の一種。

立体的な表現をするのに使えるので、

例えば、地形の起伏を作ったり、

逆にコンタ模型の凹凸を埋めて滑らかにしたりするのに使えます。

いわゆる「コンタ模型」と呼ばれる地形を表現する模型は、

任意の高さ毎に出力した等高線に沿ってスチレンボードを切り、重ねて作ります。

※ 敷地の等高線はVMM(ベクターマップメーカー)を使えば簡単に作れる!

VMMについてはこちらの記事もチェック。

 

 

これをベースに、今回取り上げたジェッソやモデリングペーストを

塗り重ねると仕上げ表現に幅が生まれます。

 

ちなみに

スチレンペーパーで作ったコンタ模型の上に

切ったガーゼを重ねて、ジェッソを塗るテクニックを使えば

滑らかな地形が簡単につくれるよ。

 

他にも、ジェルメディウムという塗り材をプラ板の上に使えば、

リアルな水面表現も可能。(乾燥にものすごい時間がかかるので余裕を持って作ろう)

発想によって塗り材の使い方は無限大。色々試してみよう!

 

 

木材、バルサ板を使いこなす

バルサ板は安くて軽く、加工しやすいので、

床に貼ったり、添景をつくるのにも便利です。

ホッチキスの芯を裏に貼り付ければ簡単に椅子や机が出来ちゃうんですね~。

ベッドや棚も作れば、生活感を演出することが出来ます。

木を使ったあたたかみを感じる模型テイストは

住宅などのプレゼンテーションに向いてますね。

カラフルな添景とも相性が良い!

 

 

多様な紙を使いこなす

lemon画翠などの専門店には、たくさんの種類のが並んでいます。

色だけでなく、手触りや光沢感もいろいろ。これはもう模型に大活躍。

こんなふうにスチペに紙を巻きつけて本を作ったり、

スタイロに巻きつけて花壇を作ったり。

 

もちろん建築にも使える!

屋根に使ったり、外壁に使ったり…… 模型の中で色系統を統一すると◎

オンデザインパートナーズの模型が参考になりますね~。

 

波段ボールは、上に野菜(植栽)を並べれば簡単な畑の表現に使えます。

色紙は服の形に切れば洗濯物に見えるよ!

 

銀色の紙は窓のサッシになるし、方眼っぽい柄はタイルにも使える。

厚手のグレー台紙やスノーマットは万能!

こんな感じで使える。添景にいいよね。

 

紙を切る添景を量産したいときは

シルエットカメオを使うのが便利!!

 

 

スタイロフォームを使いこなす

粗密によって色ごとに種類が分かれるスタイロフォーム。

模型の土台部分に使ったり、敷地周辺の既存建築に使ったり、ボリュームスタディに使ったり、万能。

添景をつくるのにも向いてるよ。

ヒートカッターを使いこなせば、駐車場に並べる車を量産することが出来ます。

 

車種もいろいろ作れる。バス、トラックからショベルカーまで!

目地を彫って塗ればコンクリートブロックのような表現にも使えます。

色をつけるときはスタイロが溶けない塗料を選ぼう。

 

 

金属棒をつかいこなす

一番扱いやすいのはアルミ棒。(ステンレスはマジで切れない……)

ペンチで曲げて手すりにしたり、物干し竿にしたり、配管にしたり……

うまく使えば、自転車や看板なんかも作ることが出来ますね

 

 

番外編 模型材料をさがす、見つける

模型材料を固定観念に囚われずに模索すると楽しいです。

たとえば100円ショップホームセンター手芸用品店などがおすすめ。

発掘した材料で新しい表現を探ろう。(その方が安く済むことも多い)

 

・ビーズで添景をつくる(よくやる)

・布でカーテンをつくる

・紙粘土で地形をつくる(割れるから気をつけて!)

・キッチンスポンジで植栽をつくる

・ドライフラワーで植栽をつくる

・クリアファイルでビニールカーテンをつくる

・竹箒で茅葺屋根をつくる

 

などなど……

 

植栽に本物の枝や落ち葉を挿すのもアリ!

スケール感と劣化を気をつけて、乾燥しきったものを選ぼう。

提案で見せたい部分にこだわると、プレゼンに活きてくるね。

 

最後に

さて、次回以降は

実際に私が作ってきた模型を例に挙げながら、

プレゼンテーションに模型をどう活かしてきたのか、

多彩な模型の表現について その狙いを写真と共に解説していきたいと思います。

 

ではまた次回!!

 

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