Revit虎の巻:屋根の作り方
屋根が作りたい!ということで今回は基本的な屋根の形状を作ってみます。単純な片流しから少し難しい棟違いまでやってみます。(これが理解できたら入母屋も作れます!)
目次
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基本
何が起こっているか理解しやすくするために「レベル1」「レベル2」「適当な立面」「3Dビュー」の四つを開いた状態で”タイルビュー”に切り替えて説明をしていきます。
レベル1で壁を作成します。壁の上部レベルはデフォルトのままレベル2としておきましょう。
フットプリントで屋根を作成
壁ができたら次に屋根をかけます。”建築”タブ、”屋根”から”屋根(フットプリント)”を選択します。このとき、次の画像で赤く囲った3項目
・描画方法をどれにするか
・基準レベル
・壁からのオフセット(軒の出のようなもの)
は確認したうえで始めましょう。ここでは選択により描画、基準レベルはレベル2、オフセット500mmに設定し、各壁の外側を選択したのでこのようなフットプリントになります。フットプリントはピンク色で表示。
ピンク色で描かれた図形が閉じた図形になっているかを確認したら、緑色のチェックマークで編集モードを終了します。
ひとまずできました…が、これではまったく雨仕舞ができないですね。屋根に勾配をつけましょう。実は先ほどの描画の際に勾配をつけてもよかったのですが、勾配は後からまとめてつけるのがオススメです。どこに勾配を設定したか、忘れにくいからです。
屋根に勾配を設定する
屋根を選択した状態、”修正”タブ、”フットプリントを編集”を押します。屋根のフットプリントが再びピンク色で表示され、編集可能になります。この状態でフットプリント(以下、辺と呼びます)を一つ選択すると勾配が設定できるようになります。ところで勾配を設定するとは、どういうことでしょう?角度でも入力するのかな?と思われるかもしれません。少し説明を加えます。「ある辺に対し、勾配を設定する」とは、「その辺を下端として屋根に傾斜をつける」ことを意味します。余計わかりづらいですか?(笑)実際にやってみるとわかります。まずは一辺だけに設定してみます。
勾配が設定された辺の横には青い三角形と数字が表示されます。屋根の傾斜はこの数字を直接いじる、もしくはプロパティから傾斜をいじることで編集できます。
壁をアタッチする
最後に壁と屋根を繋げます。壁を選択して”修正”タブ、”壁を修正”の”アタッチ(上部・下部)”を押してください。そしてこの状態で、アタッチされる側の屋根を選択しましょう。これでできました。
片流れ屋根の完成です!
向かい合う二辺に設定したら切妻で、4辺すべてに設定すれば寄棟となります。
ということになります。ではもう少し複雑な屋根形状を作るにはどうしたらよいか、考えていきます。
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応用:棟違い
今まで通りやってみる
棟違いは簡単にできるようで実は少し厄介です。L字型のプランを作った上で、先ほどまでで説明した方法でフットプリントを作成し、図のように勾配を設定します。
この状態で緑チェックを押して編集モードを終了、壁のアタッチまで完了したものがこちら。
惜しい!!気持ちのよさそうなトップライトですねRevitさん!
さて、どうしてうまくいかないのでしょう。本当はこうなってほしいんです。
よく見くらべると、真上から見た時に屋根が重なるあたりが違うことがわかります。実は、先ほどまでの方法では自分自身と重なりを持つような屋根を作成することができません。なので
・レベル2に壁を追加し、上部だけでなく下部もアタッチする
・屋根を二つ作成する
必要があります。
こんな感じのものを作りますよ、とイメージしてください。では始めましょう。
レベル2に壁を追加
まずレベル2の壁が必要となるところに適当に壁を入れます。十分な大きさになるようにしてください。
屋根一つ目、作成
次に屋根を作ります。まず大きいほうから。今回はフットプリントを編集するのも、少しコツがあります。
壁を基準にして4辺作成します。このままだと閉じた図形になっていないので、辺の長さを編集していきましょう。左上の”編集”を押した後に長さを調整したい辺を選択、端点が青く示され編集化になるので動かして閉じた図形にします。できたら編集モードを終了しますが、この時に壁をアタッチするか聞かれることがあります。この段階でアタッチするのはやめておきましょう。アタッチしなかった場合は壁が屋根を貫通してたりしますが、後できれいにできるのでそのまま続けましょう。アタッチしてしまうと次の画像のように意図しない壁ができて、後々操作が増えます。勾配の設定とアタッチは全体が大まかに出来上がってからがオススメです。
屋根二つ目、作成
もう一つの屋根を作成します。この時、図のようにレベル2の壁の内側の面までフットプリントを作ってください。レベル2の壁の下部をアタッチするために地味ですが重要なことです。さらに、先に作った屋根と傾斜が一致することも確認出来たら、編集モードを終了してください。
レベル1の壁アタッチを整理
正しい位置にアタッチできていない、アタッチを解除して改めます。例えばこんな感じ。青くハイライトした壁が本来アタッチしたかった屋根を貫通して、上まで伸びてしまっています。こんな時は壁を選択して”修正”タブの”アタッチ解除”を押し、間違ってアタッチしてしまっている屋根を選択することでアタッチ解除ができます。また、アタッチ関係を整理しているとオレンジ色にハイライトされて警告が出ることがありますが、そんな時はアタッチ解除して一からアタッチしなおすのが一番シンプルで早いと思います。参考までに。
レベル2の壁アタッチを整理
追加した壁は上部と下部をそれぞれ別の屋根にアタッチします。壁を選択し、”アタッチ”を押したらまず通常通り上部がアタッチされる屋根を選択。その後、再び壁を選択し、”アタッチ”を押しますがこの時に次の画像のように”下部”に切り替えたら、同じようにアタッチされる壁を選択します。
壁・屋根それぞれを接合
これで形は出来上がりました!しかし不要な線がありますね。できれば消したいものです。”修正”タブ”接合”を押して、接合したいオブジェクトを二つ選択します。すると
きれいに仕上がりました。
まとめ
何とかそれらしいものができました。これを応用したら、トップ画像のような入母屋も作ることができます!ヒントは壁を二重に作ること、です。入母屋の成り立ちを考えるとわかりやすいですよ!